2020年の澄明庵の花々(総まとめ)

この一年世界中が暗く陰鬱な空気に支配され、やるせない日常を強いられていますが、少しでも気分が前向きになり、明るくさわやかな気持ちになれるようにと念じて、今年2020年に観察された澄明庵の花々を月ごとに再編集してみました。庵主自身この一年写本の制作はほとんどしておりません。暗い話題ばかりで時に気持ちが折れそうにもなります。このようなときに唯一気持ちを和ませてくれたのが季節の花々でした。人間界の出来事とはかかわりなく花々は求められた季節が来ると最高のパフォーマンスを示してくれます。ほんの一部ですが、お付き合いください。

3月~4月の花々

2月末から3月にかけて真っ先に咲いてくれるのが福寿草です。
梅です。南高梅で、植えてから5年ぐらいになります。ようやく剪定の仕方がわかりかけてきました。今年2021年はどのぐらい実を収穫できるのでしょうか。
大山桜です。ピンクの花びらは早春の山里に鮮やかさを与えてくれます。
大山桜
ソメイヨシノとは違ってピンクの色が鮮やかです。
こちらはソメイヨシノです。花数が多く、大山桜と異なり、白が強くなります。
4月下旬になると地表に近いところで可憐な花々が咲き始めます。これは いかりそう(と思うのですが)ややもすると見逃してしまいそうなところに咲いていました。
いかりそうの葉の様子です。
ひとりしずかの花です。たくさん咲いていますので、一人じゃないですが・・・
筆リンドウです。日が出て花びらが開くと気が付きますが、蕾の状態では注意して見ないと気付かないほど小さな花です。

5月の花々

黄エビネ、蘭の一種です。
満開の黄エビネの花。少しずつ株が増えているようです。
白糸草です。この花で群落を作ってみたいですね。
カイドウの花です。この後花が終わってから剪定をして枝ぶりを整えました。来年はどのような姿になるのでしょうか。
キングサリです。次の画像を見るとわかりますが、アカシアの一種らしいです。
キングサリの拡大ショットです。一つ一つの花びらがアカシアの花の形とそっくりです。
こちらはピンクのアカシアの花房です。キングサリによく似ています。
これがアカシアの全体像です。ミツバチが好んで蜜を吸いによってきます。次の拡大写真を見ていただくとキングサリと酷似していることが分かります。
いかがでしょうか。花びらの形がとてもよく似ていますね。もっとも魚の鱈の白子にも似ていますが・・・
玄関わきの地面を覆い尽くさんばかりに増えてきたスズランです。花はとても可憐できれいですが、根には猛毒があります。リンドウも同じです。
野生のスズランと買って植えた園芸種のスズランが混じってしまいました。
テッセンです。澄明庵のシンボルともいえる5月の花です。
たくさんの花が一度に咲き始めます。
3種類あるテッセンのうちの2つ目です。去年ぐらいからたくさん咲くようになりました。
プラムの花です。数年前までは食べきれないほど実がなり、一部はジャムにしたりしていましたが、ここ数年はほとんど実がなりません。庵周辺の木々が大きくなり、日光が当たらなくなったのが原因かと思います。対策を検討中です。
やはり梅などの実のなる木の花に似ていますね。近くによって見ると、か弱いながらも一所懸命に命をつなごうとして咲いている強さが感じられます。
菊の花ですが、この花が咲くころになると季節が花々にとって安定してきたことを感じさせます。

6月の花々

一輪草です。6月上旬に咲いていました。接写に堪える花ですね。
こちらは二輪草です。ひっそりと寄り添うように咲いています。
つつじです。5月下旬から7月上旬ごろまで次々に咲き誇ります。右端が山つつじです。
こちらは園芸種のつつじとさつきです。開花する時期が微妙にずれているので、長い間花を楽しむことができます。花が終わったらできるだけ早く剪定をします。夏を過ぎて剪定をすると花芽を摘んでしまうことになります。
石垣のところにはユキノシタの花も見えます。
玄関に至る階段をモッコウバラのアーチで飾りました。
山芍薬。種から育てたもので、6年ぐらいになります。植えてから花が咲くまでに3年かかります。6月上旬に庭の斜面に咲いていました。
野生の花はどこか気品があります。どぎつくなくとても清楚で、心が洗われます。
6月最後の花はキウィの花です。実を取る目的で植えたのですが、5年目になってようやく花が咲きました。でも実はなりませんでした。来年は・・・

7月の花々

トラノオです。群生するので庭のアクセントになります。7月上旬。
この花の名前はわかりません。はじめのころは背丈も低く、黄色い草花程度にしか思っていなかったのですが、次第に群生するようになり、背丈も50センチほどになってさわやかな黄色い花をつけるようになりました。トラノオの隣に群生するように今後移植してみようと思っています。名前をご存知の方は教えていたでければ幸いです。
こんなにさわやかで凛とした黄色の花が咲きます。
白、紫の桔梗です。
毎年種がこぼれて少しずつテリトリーが拡大しています。庭一面の桔梗も圧巻でしょうね。

8月の花々

野甘草の花。
何と言っても蓮華升麻の花にはかないません。一時花が少なくなるこの時期に圧倒的な存在感を見せるのが澄明庵ではこの花です。
透明感のある花びら、気品のある色のバランス、いいですね。

9月の花々

ルドベキアです。とても繁殖力が強く、夏場ならどこでも見かける花です。
ホトトギスの花です。鳥のホトトギスの体の模様に似ていることからこの名があるようです。
花豆です。豆を収穫する目的で植えたのですが、今年は天候不順で収穫には至りませんでした。救いだったのは、花豆の名の通り、朱色の鮮やかな花を堪能することができました。
実を収穫できなくても、このような花を見ることができたのは予想外の収穫でした。
9月末の栗の木です。収穫はまじかです。今年はたくさん収穫できました。渋皮の付いたまま油で素揚げし、塩をまぶしてビールのおつまみにしました。お試しあれ。

10月の花々

10月になりました。まずは金木犀です。あたり一面に香りが漂います。
近寄ってよく見るときれいなオレンジ色の花ですね。
一重のシュウメイギクです。白とピンクが咲きました。
こちらは八重のシュウメイギクです。秋を意識させる花です。
向かって左側が八重のシュウメイギク、右側が一重のシュウメイギクです。

11月の花々

11月になると花はとても少なくなります。このサフランの花もその少ない花のひとつです。料理の着色用として植えましたが、いまだに使ったことはありません。毎年花弁を乾燥保存するのですが・・・
花のない季節には鑑賞したほうがいいようです。
最後は何と言っても日本の菊ですね。左手前に咲きました。これが終わって枝が枯れるころ冬を迎えます。

このような感じで澄明庵の花々は一年を通して移り変わります。2021年は写本制作と庭造りに励もうと思います。

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